お弁当と、日本文化と、政権交代と
いまフランスでは、お弁当が大ブームです。bentoなんてFile Makerのソフトも売られるくらいですから、フランスに限ったことではないのかもしれませんが。
海外に行くと、「おべんと食べたい」と、しょんぼり思うことがあります。手軽に食べるものって、サンドウイッチしかないですからね。それに機内食。あんなの、こちゃこちゃ出すなら、お弁当にしたらコストも省けて尚且つ目もお腹も満足するのに。そう思いません?
でもないんですよ、海外にお弁当。あれは存外日本独特のもんなんですね。そういえば今年イタリアで日本のクライアントと撮影をするときに、「ロケ弁ないの?」の言葉に切なくなった、なんてこともありました。あはは。
さてここはエッフェル塔にほど近い、日本関連商品のショップです。お弁当箱が目の前で次々売れて行って、お店の人が補充に走り回ってました。
なかなか見事な品揃えのこの店は、今をときめく国際交流基金の施設パリ日本文化会館内にあります。国際交流基金とは、日本の文化を世界に発信していくうえで、大きな役割を果たして来た公的機関。ここで日本の文化を学んだり、日本語を覚えた、なんて人にたくさん会ってきました。しかし日本の政権交代の後、事業仕分けだなんだで、とんだ逆風にさらされまくっている、というワケです。
どんな組織にも非効率な部分や時代遅れの仕組みなんていうのはあるので、それを修正するのは悪いことじゃないのですが、もともと他の先進国に比べて劇的に少ない文化予算を、さらにゲッソリ落とされそうな事態で、さてこの日本文化の拠点もどうなっていくのか。とっても心配です。
軽いミーティングのあと、修理を施したという会場などをちょっとのぞかせてもらいました。間もなく始まる能の舞台創りの打ち合わせ中の模様。パリで能なんて、粋だなあ。文化は生み出すのも、伝えるのも時間がかかるもの。でも壊してしまったら再生にはもっとたくさんの時間がかかります。否、それは不可能かもしれない。
パリの街角で、厳しいビジネスの現場で、「宮崎駿の国の人だから」「溝口の映画が好きだから」「セイジオザワを尊敬しているから」そんな理由だけで助けてもらったことが、何度もあります。経済効率を考えれば考えるほど、簡単に計算できない文化の果たす役割は実はとても大きい、と感じています。
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